======6. HDT-101A====== PATA/SATA Hard Disk Tester,\\ with Response Profiler and RealTime Response Monitor ---- =====特徴===== HDT-101AはFPGAに実装された完全ハードウェアロジックで、SATAコントローラ及び計測機能を実現しています。 オリジナルSATA IPコアからのATAコマンドの発行からHDDの処理の完了までのアクセス応答時間を高確度・高精度で計測することが可能です。\\ {{:jp:hdt:hdt-std_chassis.jpg?direct&100|HDT-101A(C)の外観}}\\ HDT-101A(C)の外観\\ ====高い時間分解能==== HDDの同一トラックに代替セクタが配置されている場合に応答時間計測に必要な時間分解能は、磁気ヘッドが1セクタ分の記憶領域を通過するより短い時間と定義すると、HGST社HDT725050VLAでは5.6uSとなります。\\ HDT-101AはFPGAによる応答時間計測であるため、1uSの分解能を有しています。\\ 一方、汎用OSと汎用CPUの組み合わせで構成される測定器は要求される時間分解能を実現できないため、同一トラック上の代替セクタの影響を計測することはできません。 ====多様なアクセスモード==== HDT-101AはHDDの挙動・性能を把握するために多様なアクセスパラメータを指定できます。 - READ/WRITEモード - アクセスセクタ数 - アクセスインターバル(uS) - キャッシュモード オン/オフ 通常、HDDは内臓キャッシュを有効にして動作しています。通常の状態での性能・特性を計測するにはキャッシュモードをオン(有効)の状態で計測します。但し、HDDのキャッシュが有効となっている場合は、不調箇所や性能低下原因の影響を軽微なものとして計測する可能性があるので注意が必要です。\\ キャッシュモードをオフに設定することで、HDDアクセスの応答状況を直接的に計測することができます。但し、キャッシュモードをオフに設定するとアクセス性能は低下するため、計測に時間を要します。 ====完全ハードウェアロジック==== HDT-101AはFPGA(Xilinx SPARTAN-6)に実装された完全ハードウェアロジックで各種計測を行っています。このため、極めて高い時間分解能力と完全なリアルタイム性を保証します。 - 応答時間分布特性計測 - 転送性能計測 - リアルタイムモニタ 尚、上記3種類の計測機能はFPGAにハードウェア実装されていますので、上記の3機能は並行して動作します。このため、計測中に画面表示を切り替えて観測が可能です。   ---- =====計測条件の設定 (作業中)===== ====Full ScanとQuick Scan==== Full ScanはStart PositionとTest Spanで指定されたテスト領域をシーケンシャルにRead若しくはWriteアクセスして計測を行います。 Quick Scanはテスト領域を256領域に分割して、各分割領域のその先頭部分を約3秒間アクセスして計測を行います。 Quick Scanは、シーケンシャルアクセスでの応答時間特性・転送性能と、分割領域を移動する際のヘッドシークを伴う応答時間を反映した 応答時間特性・転送性能の結果を表示します。 {{:jp:hdt:HDT-FSvsQS.png?direct&300|Full ScanとQuick Scan}}\\ ---- ====各種アクセスパラメータ==== ここではテストの際に指定するアクセスパラメータを説明します。 (1) Num Sector : セクタ数\\  単位アクセス・セクタ数。ATAコマンドで一度にアクセスするセクタ数。指定可能範囲は1~255セクタ。\\ (2) Suspend Interval : サスペンド間隔\\  ATAコマンドを発行する間隔。指定した単位アクセスの実行後、次のコマンド発行までのインターバル時間。マイクロ秒で指定します。\\  指定可能範囲は0~4095uS。\\ (3) Burst Count : バーストカウント\\  前記(1)で指定した単位アクセスの繰返し回数。この値だけATAコマンドが発行されます。\\ 指定可能範囲は0~4,294,967,295回。\\ (4) Skip Sector : スキップセクタ\\  指定した単位アクセスの実行後、次のコマンドの発行でアクセスする領域までのスキップセクタ。\\ 指定可能範囲は0~4,294,967,295セクタ。\\ {{:jp:hdt:HDT-Params.png?direct&300|各種アクセスパラメータ}}\\ **セクタブロック**\\ ATAコマンドで一度にアクセスするセクタ数をNum Sector値で指定します。このアクセスは本製品の計測の基本単位で、応答時間の計測はこの単位アクセスの所要時間を計測しています。本製品ではセクタブロックと呼んでいます。\\ **Suspend Interval**\\ セクタブロックとセクタブロックのアクセスのATAコマンドの発行間隔(先のコマンドの受信完了から次のコマンドの発行までの時間間隔)をSuspend Interval(uSec)で指定します。この時間間隔は、HDDが次のATAコマンドを受信して磁気ディスクの目的セクタ(先のコマンドでの最終セクタの次のセクタ)にアクセスしようとするタイミングには、磁気ヘッドは先に進んでいるため、回転が進んで次に目的セクタに到達するまでの時間を計測することになります。\\ Suspend Intervalは、コマンド発行から応答を受信するまでの応答時間を計測する上で、本来の応答時間に近づける目的でコマンド発行のタイミングを調整するためのパラメータです。\\ HDDのキャッシュが有効の場合は、Read時の先読み、Write時の書込みデータのバッファリングであまり影響は観測されませんが、キャッシュを無効にした場合、本パラメータに適切な値を設定することで、本来のアクセス性能に近づけることができます。\\ 但し、Suspend Intervalは他のパラメータにも依存します。例えば、ディスクの外周と内周で同一のパラメータを与えれば良い訳ではなく、ディスク上の記録位置(ゾーン)や、Num Sectorなどに依存します。\\ **バーストブロック**\\ セクタブロックとサスペンド間隔の基本的な動作のペアを繰返しながら、連続する領域をテストします。この繰返回数をBurst Countで指定します。この繰返しで実行される領域をバーストブロックと呼びます。\\ バーストブロック内のテストは連続する論理セクタをシーケンシャルにアクセスしています。\\ **Skip Sector**\\ 最後に、バーストブロックを複数領域設定し、バーストブロック間をスキップさせて、領域を間引くためのパラメータがSkip Sectorです。\\ テスト領域を低減することができ、テスト時間を短縮できる反面、信頼性の低下した部位を検出できない可能性が高くなります。\\ 一方、磁気ディスク上の物理的に離れた位置に磁気ヘッドを移動させる動作を含めた応答時間を計測するため、シーク及びトラッキングの性能を反映した応答特性が得られます。\\ ---- ====キャッシュオン/オフ==== 準備中\\ *この項は書きかけです。 ---- ====ライトプロテクト (Write Protect)==== HDT-101Aは重要なデータを誤って消去してしまわないように、書込テストを禁止するライトプロテクト機能を備えています。\\ **(1)ソフトウェアによる書込保護**\\ HDT-101Aは起動直後はライトプロテクト状態となっており、書込テストは実行できません。「Settings」ページで「Write Test」を「Enable」に設定して下さい(「APPLY」ボタンも押下)。\\ \\ **(2)ハードウェアによる書込保護**\\ 運用上、書込テストは通常行わない場合は、ハードウェアで書込を禁止することが出来ます。\\ シャーシのカバーを外して、内部の基板上のDIP SW1-3(SW1のbit3)をONとすることで、書込不可となります。この場合、前述(1)のソフトウェアによる書込保護で述べた、「Write Test」を「Enable」することも出来なくなります。\\ ----