======1. 応答時間分布特性====== **HDD Response Profile** ---- =====応答時間分布特性とは===== HDDの性能及び信頼性を把握する指標です。 試験対象であるHDDに対し、書込み若しくは読出しの処理要求信号の発行から処理完了通知の受信までの時間を応答時間として測定します。次に得られた応答時間を幾つかの時間区分に分類して該当する区分の回数を更新して蓄積します。この蓄積されたデータを分布解析(ヒストグラム解析)したものをHDDの応答時間分布特性と定義します。\\ 正確な応答時間分布特性を得るには、十分な分解能を有した時間計測機能と計測された時間を基に複数の時間区分に選別し、該当する時間区分の回数を計測し蓄積します。この蓄積されたデータを分布解析(ヒストグラム解析)したものを応答時間分布特性(※)と呼んでいます。\\ ※現在、特許出願中。 ---- =====同一HDD機種の特性例===== 固体不良などの特別な理由がなければ、アクセス条件が同じ状況下で、基本的には同一HDD機種は同一の応答時間分布特性を示します。\\ 以下の例では3台のHTS721010の転送速度と応答時間分布特性を掲げます。\\ {{:jp:hdt:HTS721010-ThruPut1.png?direct&200|}}{{:jp:hdt:hts721010-profile1.png?direct&200|}}\\ {{:jp:hdt:HTS721010-ThruPut2.png?direct&200|}}{{:jp:hdt:hts721010-profile2.png?direct&200|}}\\ {{:jp:hdt:HTS721010-ThruPut3.png?direct&200|}}{{:jp:hdt:hts721010-profile3.png?direct&200|}} ---- =====不調HDDの特性例===== 初期不良あるいは経年劣化のHDDでは、応答時間分布特性にそのHDD機種の標準的な分布形状とは異なる特性が観測されます。 HDDが不調である場合は以下のような傾向が見られることが多くなります。 - 長い応答時間領域に分布が観測される - 正常な場合は分布が観測されない時間領域に分布が観測される - より広範な領域に分布が拡散する また、これらの不調の原因は以下の項目が考えられ、それらは対応する応答時間領域に現れます。 - 磁性体および磁性面の劣化または損傷による代替セクタ領域へのヘッドの移動 - 回転系若しくはサーボ系の不具合・不調によるトラッキングの問題 - 上記の混在\\ {{:jp:hdt:ThruPut-degrade.png?direct&200|}}{{:jp:hdt:Profile-degrade.png?direct&200|}}\\ ---- =====振動印加時の特性例===== HDDに振動を加えた場合の応答時間分布特性への影響を観測した例。\\ {{:jp:hdt:profile-vibration.jpg?direct&200|}} ---- =====HDD内臓キャッシュの影響===== 準備中   ----