(a) はじめに
0. はじめに
一般的なWindows/Linuxコンピュータはスタートメニューから電源を切る(シャットダウンを)指示すれば自動的にシャットダウン処理をして、電源を切ってくれます。
一方、Raspberry Pi(以下、RPi)は電源スイッチを持っていません。
RPiはmicroUSBコネクタから電源供給されると、SDカードからデータを読み出してOSをブート(起動)させます。
しかし、OSをシャットダウンさせた場合にはRPiの主要な回路に電源は供給されなくなりますが、次のOSの起動のためには、一旦、microUSBからの電源供給を完全に停止(遮断)した後、再度電源を供給し直す必要があります。
RPi-PWRボードをRPiに装着して必要な設定を行う事で、RPi-PWRボードの電源SWで、RPiの電源を操作する事が出来ます。
本手順書で使用する用語と解説:
パワーオフ(Power Off, Power Down):
コンピュータの電源を切ること。
※)RPi-PWRボードが、自ボードとRaspberry Piボードの電源供給を停止する動作。
シャットダウン(Shutdown):
OSのシャットダウン。コンピュータを使用した後にシステムを停止する操作のこと。物理的に電源を切ることとは異なります。
※)Raspberry PiのOSがShutdownシーケンスを動作させる事。
ボタンの長押し:
ボタンを押してすぐ離すのではなく、一定時間以上押し続ける操作こと。
同じボタンでも「押してすぐ離す」操作とは異なる機能を「一定時間以上押した後に離す」ことで実現します。
「長押し」によって、同じボタンで複数の操作が可能になります。
※)RPi-PWRボードでは、電源ボタンの長押しで強制パワーオフ(強制Powerdown)を実現します。
強制パワーオフ(Forced Power Off, Forced Power Down):
OSが起動中、正常にシャットダウンした後であるに拘らず、電源ボタンの長押しで電源供給を強制的に停止させること。
OSが正常に終了していない場合は、ファイルシステムに損傷を与えることがあります。また、その状態でOSを起動すると、起動途中にファイルシステムの修復を行うことがあり、起動に時間がかかる場合があります。
※Raspberry Pi→RPi
※Raspberry Pi OS :現状のRPi-PWRがサポートするOSはDebian Wheezy, Jessie(Raspbian)
1. RPi-PWRとRaspberry Piを組合せた場合の新機能
シャットダウン時オートパワーオフ機能
RPi OSからシャットダウンした場合の通常のシャットダウンシーケンスの最後に、RPi-PWRがもつ電源遮断機能を用いて、RPi-PWRとRPiの電源を完全に遮断します。
このため、RPi-PWRの電源SWでRPiを起動することができます。
マニュアルパワーオン/オフ機能
RPi-PWRボードの電源SWでRPiの電源のオン/オフが可能。
電源のオフには2種類の電源オフの方法があります。
(A) 強制電源オフ:OSの状態に拘わらず、即座に電源供給を停止します。
(B) ソフト電源オフ:RPi OSがRPi-PWRボードからの電源SW押下の情報を受け取り、OSのシャットダウンシーケンスを起動。このシーケンスでオートパワーオフが実行されます。